野田俊作の補正項
             


私のブックマーク

2009年06月26日(金)


本日の読書
 もう何年も新聞をとっていないし、週刊誌も読まないし、地上波テレビも見ない。世の中のできごとについての情報源はインターネットだ。私と同じような人が結構いると思う。大マスコミを信じないからこうしているわけだ。

 信じなくなったきっかけは、阪神大震災だ。被災地にボランティア医者に行って働いていたのだが、新聞やテレビの報道が、現場でおこっていることとはずいぶん違っていることに気がついた。大マスコミは、1)うちひしがれた被災者かあるいは、2)がんばっている被災者について報道するのだが、被災地にいた人のほとんどは、うちひしがれてもいないし、がんばってもいなくて、3)淡々と生活している被災者だった。現場に行ったことがない人がテレビや新聞だけで情報を得ると、なんだか毎日ものすごくドラマティックなことがおこっているように見える。しかし、そんなにドラマティックなことが毎日まいにち続いているわけがない。興奮は数日で冷めて、人々は冷静に淡々と暮らしはじめた。なるほど、淡々と生活している被災者は画にならない。画にならないけれど、それが現実だ。その現実が人々に伝えられていない。マスコミは、嘘は伝えない。しかし、本当も伝えない。起こっていることの中から、彼らの《統覚バイアス》(=色眼鏡)でもってより分けたものだけを伝える。彼らに問えば「事実を伝えている」と言うだろう。けれど、より分けられた事実は、もはや事実そのものではない。

 阪神大震災の場合は、マスコミは意図的に情報をより分けたわけではないだろう。しかし、政治報道の場合には、かなり意図的に情報をより分けていることが、昨年のチベット動乱についての報道あたりからわかってきて、長野でのオリンピック聖火リレーで中国人がチベット支持者に暴行を働いたことをほとんど報じないあたりで、中国に不利な情報は流さないのだと、きわめてはっきりわかった。他の人々はもっと早くから知っていたのかもしれないが、私がはっきりとこの「偏向」に気づいたのは、昨年の春からだ。気がついてから、逆にたどってみると、何年も前からしっかり偏向していたことを発見した。

 その後、日本国と日本人にとってきわめて重大な法改正を、マスコミがまったく報道していない事例が、いくつもあった。たとえば、国籍法改正案だとか、人権擁護法案だとか、国立国会図書館法改正案だとかだ。すべて中国に有利になる法改正で、しかも内容を詳細に検討すると、とんでもなく売国的な法案だ。秋には田母神空幕長事件があって、そのときの報道も、とんでもなく偏っていた。なにしろ、NHKは国会喚問の中継を流さなかった。いわゆる「政局」がらみの事件、たとえば「麻生たたき」だの「小沢献金問題」だのは、私はあまり関心がないので詳しく知らないのだが、ずいぶん偏っているのだそうだ。その他、インターネットやCNNなどの外国メディアでは普通に報道されていることが、日本の大マスコミにはまったく取り上げられない事例が、いくらでもある。こうして国民はだまされたままで、もうすぐ総選挙なのだ。恐ろしいことだ。

 インターネットの問題点は、まるで川の砂から砂金を洗い出すように、膨大なゴミの中から本物を探し出さなければならないことだが、見つけだしてブックマーク(お気に入り)に入れておけば、後はそれだけ見ておればいい。これはこれでもちろん情報のかたよりはあるわけだが、《事実》と《意見》を区別できるだけの知性が私の方にあれば、大マスコミの情報を補正するためには便利だと思う。というわけで、私のこのごろのブックマークの一部を公開しておく。極端に右傾化しているけれど、ごかんべん。

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